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コンゴ民主共和国で宣言された新しいエボラの流行

2018年5月14日

 

コンゴ民主共和国(Democratic Republic of the Congo : DRC)政府は、5月8日、赤道(Equateur)州の町ビコロ(Bikoro) でエボラウイルスEbola virus病(EVD)の新たな発生を宣言した。この宣言は、検体検査の結果、2例のエボラウイルス病を確認した後に行われた。

 

コンゴ民主共和国保健省は、首都キンシャサ(Kinshasa)の国立医生物学研究所Institut National de Recherche Biomédicale(INRB)における検査により、5人の患者から採取した5つのサンプルのうち2つがEVD陽性であったとWHOに伝えた。検査のために、より多くのサンプルが採取されている。

 

WHOは、コンゴ民主共和国政府と緊密に協力し、2017年同様のエボラウイルス病発生に対して成功した対応モデルを用いて、複数のヘルスパートナーを動員して作戦を迅速に展開している。

 

緊急時対応担当(Emergency Preparedness and Response)WHO事務局次長Deputy Director-Generalのピーター・サラマ(Peter Salama)博士は、「コンゴ民主共和国政府およびパートナーと協力して、ビコロに到着し、この新しいエボラウイルス病の発生に関連した人命の喪失と健康被害を減らすことが最優先事項である。パートナーと協力し、早期に、そして調整された方法で対応することは、この致命的な病気を抑えるために不可欠である。」と述べた。

 

WHO、国境なき医師団(MédecinsSansFrontières)、および州保健部門Provincial Health Divisionの専門家で構成された最初の多分野チームは、調整と探索を強化するために5月8日、ビコロに移動した。

 

ビコロは、コンゴ民主共和国の北西部、隣国コンゴ共和国に近い赤道(Equateur)州に位置し、コンゴ川に繋がるツンバ(Tumba)湖のほとりにある。すべての症例は、ビコロから約30キロメートルに位置するイココ・イムペンゲ(iIkoko Iponge)保健施設から報告された。ビコロの保健施設には機能がほとんどなく、頻繁に枯渇する物資の提供を国際機関に依存している。

 

「今回の流行に対処するには、包括的かつ調整された対応が必要であることがわかっている。WHOは、コンゴ民主共和国政府の対応を支援するために、保健当局およびパートナーと緊密に協力する。我々は、より多くのサンプルを収集し、接触者の追跡を行い、エボラウイルス病予防と制圧に関するメッセージをコミュニティに浸透させ、データの収集と共有を改善する方法を講じる。」とWHOアフリカ地域事務局長Regional Director for AfricaのMatshidiso Moeti博士は述べた。

 

今回のエボラウイルス病の発生は、1976年にコンゴ民主共和国でウイルスが発見されて以来、同国における9回目のエボラウイルス病発生である。過去5週間に、イココ・イムぺンゲ周辺で21人がウイルス性出血熱を疑われ、うち17人が死亡した。

 

コンゴ民主共和国政府がイココ・イムぺンゲ保健医療圏Health Zoneの発生源から病気の広がりを防ぎ、制御するための強力な対応を確実にするために、WHOは国境なき医師団を含む他のパートナーと緊密に協力していると、コンゴ民主共和国のWHO代表、Allarangar Yokouide博士は語った。

 

WHOは5月8日に検体検査の結果を知ると、組織全体でスタッフと資材を完全に掌握するためにインシデント管理システムを構築した。WHOは数日以内に、疫学者、物流管理者、臨床医、感染予防と管理の専門家、リスクコミュニケーションの専門家、予防接種支援チームを配置する予定である。また、WHOは個人の保護装備(PPE)等についても、供給の必要性を判断し、不足を補う手助けをする予定である。WHOは近隣諸国に対しても警告している。

 

WHOは、周囲の州および国へのエボラの拡散を阻止する目的で、今後3カ月間の対応活動を支援するため緊急時対応基金から100万米ドルを支出した。

2017年の対応に基づいた対策

 

エボラはコンゴ民主共和国(DRC)の風土病です。コンゴ民主共和国での最後のエボラ流行は、2017年にベツレア(Bas Uele)州北部のリチャティ(Likati)保健医療圏で発生し、コンゴ民主共和国、WHOおよび多くの異なるパートナーによる共同の努力により迅速に収束した。

 

2017年のエボラウイルス病の流行への効果的な対応は、地方当局による疑わしい症例のタイムリーな警報、国立研究所の能力の強化による血液検体の即時検査、政府による発生の早期発表、地方および国家による迅速な対応活動、国際的なパートナーの堅固な支援、柔軟な資金調達への迅速なアクセスの提供を通じて、達成された。

 

WHOによる現場での調整支援は重要であり、発生が知らされてから24時間以内にインシデント管理システムが構築された。WHOは50人以上の専門家を配備し、政府やパートナーと緊密に連携した。

 

エボラウイルスは急性の重症の病気を引き起こすが、これは治療しなければ致死的であることが多い。エボラウイルス病症例の平均死亡率は約50%である。このウイルスは、野生動物から人に感染し、ヒトからヒトへの感染によってヒトの集団内に広がる。

出典

WHOニュースリリース 2018年5月8日

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