2018年1月31日
ブラジルで黄熱の患者が増加しています(WHO2018-1-22)。2017年7月から2018年1月中旬までに35人の患者が確認され、うち20人が死亡しました。ここ数週間で患者数は3倍に増えています。患者発生はサンパウロ州(20人)、ミナス・ジェライス州(11人)、リオデジャネイロ州(3人)など南部で多くなっています。サンパウロ市近郊の Maripora ではオランダ人旅行者が感染し、帰国後に発病しています。WHOはMariporaなどで市中感染が発生している可能性があるとの見解を示しています。米国CDCではサンパウロやリオデジャネイロなどの都市部でも黄熱感染のリスクがあるため、これらの地域に滞在する者にもワクチン接種を推奨しています(米国CDC2018-1-19)。
ブラジルでは2017年初頭から南部のミナス・ジェライス州を中心に黄熱の流行が発生し、6月までに779人の患者が発生しました。この流行は7月には終息しましたが、それ以降もサンパウロ州などで動物の集団感染が報告されており、流行が持続している可能性が指摘されていました。6月までの流行は森林の中での流行でしたが、今回、サンパウロ市近郊で患者が発生したことは、都市型の黄熱流行に変化していることも考えられます。ブラジルでは2月9日からカーニバルが始まるため、日本からも数多くの旅行者が訪問しますが、同国に滞在する際には黄熱ワクチン接種を受けておくことを推奨します。