インド、スリランカ、バングラデシュ、ネパール、パキスタン、ブータン、モルディブ
南アジア地域は、ほとんどが熱帯〜亜熱帯性気候であり、高温多湿です。暑期(4月〜5月)、モンスーンによる雨期(6月〜10月)、乾期(11月〜3月)に分けられ、夏季は暑さが厳しく、最高気温が40度を超える日もあります。ネパールやブータンは標高が高い地域があり、雨季でも過ごしやすいですが、昼夜の気温差がみられます。概ねインド、ネパール、パキスタンでは7〜9月が雨季、スリランカ、バングラデシュでは6〜10月が雨季にあたります。雨期には豪雨による洪水が発生することがあります。
注意したいこと・・・
◎虫に注意
デング熱、チクングニア熱は、都市部を中心に流行がみられます。また南アジア地域の多くの農村地帯は日本脳炎の流行地域です。日本脳炎は予防接種があります。マラリアは都市部では流行はあまりみられませんが、郊外では感染する危険があります。マラリアは予防薬があります。デング熱やチクングニア熱は予防薬や予防接種もありません。いずれにしても蚊に刺されないことが大切です。長袖長ズボンを着用し、虫よけ剤を使用しましょう。
◎生水・氷・生もの
南アジアでは衛生環境が整っていない地域が多くあり、年間通じて、コレラ、サルモネラ感染症、A型肝炎、腸チフス、パラチフス、細菌性赤痢、アメーバ赤痢などの消化器系の病気が発生しています。これらの感染症のほとんどは飲食物から感染します。
食事前の手洗いやアルコール消毒を行ってください。
また南アジア地域では、料理に香辛料と油を多く使うため、消化不良や下痢を起こすことがあります。
ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品は、保存状態が悪いなど不安がある場合は避けるようにしてください。
生水は避け、沸騰させた水かミネラルウォーターを飲用して下さい。
果物を食べる際は、自分で皮をむいて、できるだけむきたてを食べるようにしましょう。
◎狂犬病に注意
インドは世界でも特に狂犬病発生件数が多い国です。狂犬病は、犬、猫、サル、コウモリなどウイルスを持っている哺乳動物に噛まれたり、傷口、眼や口の粘膜をなめられることで感染し、発症するとほぼ100%死亡します。
動物にはむやみに手を出さないようにし、噛まれた場合はすぐに傷口をきれいな水と石鹸でよく洗い、出来るだけ早く医療機関を受診しましょう。
気候の変化によって発生する感染症
感染症や食中毒が一年を通してみられますが、雨季の暑い時期に多く発生しています。また、この時期は蚊が発生しやすい季節でもあるため、蚊で媒介されるマラリアやデング熱、日本脳炎などに感染する危険がありますので蚊に刺されない対策をしてください。
体調管理が大切
体調を整えておくことでも病気が予防できます。旅行中の無理なスケジュール、睡眠不足、また食べ過ぎ、飲み過ぎなどで気付かない間に抵抗力が落ちてしまうことがあります。余裕をもった旅行スケジュールを組み、疲れたら休息をとりましょう。
その他
B型肝炎やHIV感染症は、血液や性行為で感染する疾患です。不特定な相手との性行為は避け、コンドームなどの避妊具を使用しましょう。
パキスタン、バングラデシュでは鳥インフルエンザが発生していますので、弱っている鳥や死んだ鳥には近寄らないようにしましょう。
各国の医療機関は・・・
・外務省 世界の医療事情をご覧ください。
詳しくは・・・
渡航前の予防接種相談・感染症情報や渡航後の健康相談やご意見ご質問などがあれば、お気軽に最寄りの検疫所までご連絡ください。
また帰国時に体調不良や心配なこと等があれば、健康相談室へお寄りください。
厚生労働省検疫所・FORTHホームページ
楽しいご旅行を〜HAVE A NICE TRIP〜
東京空港検疫所支所