2017年5月27日
日本人がオーストラリアで医師として働く場合、現地に留学して医師として一から学び直す道もあれば、日本企業に在籍して、オーストラリア現地で怪我や病気に罹ってしまった人の搬送を行う道もあります。前者の場合は臨床留学を行うことが多く、日本の国家試験のようにオーストラリアで定められた試験に合格し、医師として登録しなければなりません。 もし試験に合格したとしても、自動で医師登録が行われるわけではないので注意が必要です。また、留学生の場合は試験を受験しなくても期間限定で医師登録を行えるパターンもあります。これはオーストラリアに永住して医師として働くというよりは、オーストラリアで臨床経験を積むために行われる登録方法です。ですが機関は受け入れ先の病院との交渉がうまく行けば延長することも可能で、将来永住を考えた時にもこの経験は役に立ちます。オーストラリアで医師として働きたいという場合、この制度を利用してみるのも良いでしょう。 後者の働き方の場合は、日本の企業に所属し、オーストラリアで働くという形になります。オーストラリアは日本から比較的訪れやすい地域にあるため、観光で訪れる人が非常に多い国です。そのため現地で怪我をしてしまったり事故に遭ったり、体調を崩して病気に罹ってしまったりする人も必ず出てきます。そうした現地での患者を日本の病院に搬送する仕事です。この仕事では、患者の家族と連絡を取ったり、日本への帰国やその後の日本の医療機関への入院の手続きを担当します。現地の事情と日本の病院事情と、どちらにも通じていなければ務まらない仕事です。 逆に国内に観光に来た外国人が同じような状態になった時、患者への対応をしたり帰国の手配を行ったりします。場合によっては患者に付きそうこともあります。コミュニケーション能力が重視されるため、英語と日本語のどちらも流暢である必要があります。また病院外で患者の病状を確認して病院とのコミュニケーションを取るため、臨床経験があることも求められます。とっさの対応や判断ができる人材ですと採用されやすいでしょう。 現地の人の医療の訳に立ちたい、オーストラリアに永住して医師として働きたいと考えるのであれば、オーストラリアで医師登録をする道を選ぶのがよいでしょう。永住ビザを得られればオーストラリアの病院で勤務することはもちろん、経験を積めば自身のクリニックを開業することも可能になります。オーストラリアと日本を繋ぐような医師になりたいと考えるのであれば、必要に応じて現地に派遣されるような形の働き方を選ぶとよいでしょう。