2017年5月27日
アジア地域における現地総合病院やクリニックにおいて、日本人医師の需要が高まっています。これは急増する日本人ビジネスマンやロングステイヤー、さらに日本人の永住者が増加しているということが背景にあり、日本語が堪能であり、高い日本の医療技術を持っている人間を求めている医療施設が増加傾向にあることが、その要因として挙げられています。 前述にある日本人をターゲットに、日本人専用病棟であったり、日本人専用フロアなどを、開設している医療施設が、アジア圏では増加しているというのが、現在におけるアジアの医療事情なのです。 また2015年に予定されているASEAN統合の動きというものを先んじて、アジアに進出している日系の医療施設や、歯科医院によるクロスボーダーの分院開業なんてものも、増加傾向にあることから、ますますグローバルで活躍することができる医師の需要が高まっているというのが現状としてあります。このターゲットになっているのが、シンガポールという国なんですね。 現在日本との医師免許についての二国間協定というものは、アメリカとイギリス、そしてフランスとシンガポールの4カ国のみで締結されているというのが現状です。アジアでは唯一シンガポールが、二国間協定を締結しており、シンガポールにおいては、シンガポールに在住している日本人を、日本の医師国家資格のみを有した医師が、現地において診察をすることができるというルールが締結されているんですよね。 この二国間協定をちょっと詳しく説明していきましょう。日本人医師が現地で診療をする場合、日本の医師免許を取得していれば、シンガポールに医療行為を申請することができます。ただし人数は限定されていて、一定条件の元で自由な医療活動というものが認められており、実際にシンガポールにおいて、開業をすることも可能な状況にあります。 以前として、これらの国以外では、日本の国家資格を有していても、診療行為をまったく行うことができなかったという状況から考えてみると、かなり進展した状況にあると言えるのです。医師の世界は閉鎖的な世界です。これは日本でも海外でも変わることがありません。なんというか独占的な、専門的な閉鎖された世界なんです。だから、外国人などは、自国の人民の生命に関わる仕事には関わってくれるなという傾向が、それまでは強かったわけですね。確かにまだ日本の医師国家資格で、シンガポール人に医療行為を行うことはできませんが、近い将来、それも可能になるときはきっとやってくると言えるのではないでしょうか。