2017年5月27日
日本では医師不足が叫ばれて、ある程度の時間が経過しましたが、なかなかに現状に劇的な変化をみせ、充実した医療を受けることができる状態にはまだまだなっていないことになっているのですよ。日本では2007年から2008年にかけ、救急搬送された妊産婦を受け入れることができる病院が見つからず、胎児やその妊婦が死亡するという事件が急増したという過去があります。救急医療体制や地域医療体制の不備が顕になった形となったわけですが、日本以外にも医師不足に悩まされている国は存在しているのです。 医師数が少ないという国を判断する基準となるのは、OECDと呼ばれる、経済協力開発機構というものが、加入国のヘルスデータを参照すれば、大抵の国の医療事情というものを把握することが可能です。 たとえば古いデータではありますが、2005年度における人工1000人あたりにおける医師の数というものは、日本の場合は2人というデータが出ています。これは臨床医密度と呼ばれているもので、外務省などのホームページなどを見れば、簡単にそれぞれの国の医師の状況を把握することが可能です。OECDはアメリカやEU諸国の他にも、日本はもちろん、メキシコやチェコや韓国など、30カ国が加盟している組織です。この1000人あたりに医師が2人という状況は、残念ながら、加盟30カ国中、27番目の数字であるということがわかっています。 ちなみに1000人中2人に満たない国は、日本のほか、メキシコと韓国とトルコだけというのが現状です。これらの国では、日本同様、またそれよりもさらに酷く医師不足の現状があるとされています。この30カ国の中の平均値は1000人あたりで3人というものになっています。この平均値以下である国は、ハンガリーがぎりぎりの3.0人。以下アイルランド、オーストラリア、ルクセンブルク、フィンランド、イギリス、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、ポーランドとなっています。 こういったデータを参考して、海外転職のターゲットを決めるということも、ひとつの選択肢ではあります。当然に医師が不足している国では、医師の確保が大事なわけですから、当然に転職もしやすい国であると言えるでしょう。永住権の問題やビザの問題。さらには資格取得の問題と一緒に、この医師の絶対数というもののデータも、海外で医師として転職を目指している場合には、知っておくべきデータの一つと言えるのではないでしょうか。